【雑感】個人事業主と会社員の違いを、改めて考える。

ゆでたまごのすけです。

個人事業主をかれこれ20年超やっているわけですが、最近ちょくちょく「すごいですね」と言われる機会があります。そう言われてみて、私の正直な感想は「そうなの?」というもの。まあ会社も10年続けるのは難しい、とも言われますから、そう考えるとすごいことなのかもしれませんが、私としては自分で自分を「すごい」と思ってやってきたわけでは全くないので、気がつけば人からすれば「すごい」と思われるようなことをやってきたのかな、という認識でいます。

そんな私にも、会社員の頃がありました。20代前半の2年半ほどという短い期間でしたが、その当時を振り返るとひたすら愚痴ばかりを言っていた記憶しかありません。今から考えれば「何を生意気な」と思いますが、要は自分の思うようにできないことが多くて、もどかしくて、それが愚痴にしかならなかったんだろうなあ、と思います。若かったですねえ。今となっては、自分の思うようにできることなんてほとんどないぞ、と思っていますからね。

当時と今とで何が違うんだろう、とふと考えてみますと、やはり会社員の頃は自分の時間を切り売りしていて、個人事業主の今は自分の仕事や成果が報酬になっている、というのが一番の大きな違いかな、と思います。会社員は、いくら働いたところでもらえる給料は一緒。もちろん残業手当なんていうものもありましたが、微々たるもので。やったらやった分だけいただける、というのは私にとっては大きなモチベーションになっているように思います。

じゃあ完全出来高制の営業職とかでもいいじゃん、という考えもあるでしょう。売れる商材を扱って、売った分だけインセンティブが入る。その方が楽じゃん、という考え方もあるのはわかりますが、たぶんそこでそういう発想に私がならないのは、かつて座付きの脚本家として劇団に関わり、舞台をつくっていた経験が大きく影響しているように思います。

舞台をやっていると、結局は公演にお客様が呼べるかどうか、が重要になってきます。採算は合ってないけど作品としては優れた舞台だ、というものもあるでしょうが、とはいえ客入りというのは作品の評価指標の一つであることには間違いありません。お客様が、電車代を払って劇場まで足を運び、数千円のチケットを購入して観に来てくださる。そのお客様が「観に来てよかった」と思って帰っていただけるような作品をつくることは、舞台をつくる上で必須の条件だ、と私は思って舞台づくりに関わってきました。つまり、自分の仕事にいくらかのお金を支払っていただけるのであれば、そのお支払いいただいた方にはその分、いやそれ以上の満足を得てもらわなくてはいけない、という使命感が、舞台づくりに携わる経験から身についたように思います。

前述のような完全出来高制の営業職に、もし自分が就いたとしたら、たぶん私は「楽でいいじゃん」とはならず、買っていただいたお客様に満足していただけているかどうか、をすごく意識して仕事をするんだろうなあ、と思います。もちろん私も人間ですから、楽がしたいという気持ちはあります。でも、自分が楽するより、人に喜んでもらえる方が私は好きなんですよね。

こういう話をすると、「どMなんじゃない?」と言われることがありますが、たぶんそうです(笑)。


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