【就職・転職のツボ】効率化の功罪。

ゆでたまごのすけでございます。

求人広告をいろいろとつくってきて、
企業を選ぶ際に大事なのは「理念」なのだなあ、
とつくづく思うのでございます。

私は流通・小売業やサービス業の会社さんを
よく担当してきたのでございますが、
そういう会社さんの中でも、
「理念」をしっかり持っているところと、
そうでないところというのは確実にある、
と感じるわけでございます。

まあ理念といっても、

お客様を第一に考える。

みたいなことは、どこでも掲げているわけでございますが、
ぢゃあそれをちゃんと実践してるのかどうか、
というのは、流通・小売・サービス業であれば、
お店に行けばだいたいわかる、というものでございます。

ある美容室チェーンを担当したことがあります。
そちらは、社長さんがもともと美容師だったそうですが、
自らは美容師を辞め、経営に専念されておられました。

その社長さんは、美容師の仕事をとことん、
マニュアル化しようとしておられました。
マニュアル化することで、効率化が図れる、と。
美容師個人の技量に左右されることなく、
同じ品質のサービスが提供できるようになる、と。

確かに、一面では正しいです。

しかし、ここには一つ、忘れられているものがあります。

それは、個人への信頼です。

極論すれば、個人の技量に左右されないということは、
個人がそれぞれに持っている力を一切否定する、
ということにもなるわけです。

そうすると、自ずと人間が誰しも持っている欲求である、
自分の力を認められたい、という気持ちがある種、否定されてしまう。
効率化というのは企業経営上、不可欠なものではありますが、
効率化にプラスαされるものが一切なくなる、ということにもなるのです。

成功している企業というのは、
たいがいその効率化をうまくやりながら、
一人ひとりの力をうまく引き出し、育てる、
ということができている企業だったりします。

そういう面は、求人広告上ではなかなか伝わらないものではあります。
しかし、流通・小売・サービス業であるならば、
それはお店を見に行くことで、ある程度はわかってきます。

青島刑事ではないですが、事件は現場で起きているんです。

ぜひ、ネット上の情報だけに頼らないでいただきたい。
そう思わずにはいられないのでございます。

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