【読書ノート】ここを出ろ、そして生きろ/松原耕二
ゆでたまごのすけでございます。
久々に読んだ小説でございます。
著者の松原耕二さんという方は、
ニュース23のキャスターの方でございます。
筑紫さんの頃にはディレクターをやっていたり、
ニュースの森のキャスターをやっていたり、
というご経歴の方でございます。
ゆえにでしょうか、
舞台はコソボとかコンゴとか、
紛争地域になっておりまして、
そこをめぐるNPOの人たちや、
国連の人たちの姿が描かれていたり、
たとえば国連から物資が届いても、
その用途に応じた使い道でないと、
いちいち申請を出さないといけない、
といった無駄とも思えるルールがあるなど、
そこで展開されるジレンマのようなものが、
とてもリアルに描かれているのでございます。
骨格としては、恋愛小説なんでございます。
その恋愛を紡ぐ男女が、
それぞれ紛争地域に援助をしに訪れている人たち、
というのが新しいのでございます。
こういうリアリティのある小説というのが、
これからもっと増えてくるといいのにな、
なんて思ったりする次第でございます。
その筆者だからこそ描ける世界観、
というのがある作品というのは、
読んでいてとても好感度が高いのでございます。
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