【雑感】「先生はサービス業」でいいのでは?
昨日、高校駅伝がありましたね。
フジテレビの夜のニュースバラエティー、
「Mr.サンデー」でその駅伝に出場した、
豊川工業高校で長年陸上部を指導され、
体罰があったということで教職を退くことになり、
その後も保護者からの要望があって、
「私塾」を立ち上げる形で陸上部の指導を継続している、
というようなニュースが報じられておりました。
コメンテーターとして出演されていた演出家の宮本亜門さんは、
その先生がインタビューを受けている中で、
体罰を受けた生徒の保護者には、
「私塾」で指導を再開していることに不快感を持つ人もいる、
というような質問をされている途中に、
「そういう質問ならもうやめましょう」と、
インタビューを中断された様子を指して、
「いろんな意見の人がいるのだから、
インタビューの途中でああやって遮ってしまうのは、
あまりいただけない」といったような発言をされておられました。
その様子を見ておりまして、すごくうなずけるなあ、
という感じがしておったのでございます。
いや、宮本さんのコメントに。
私もかつて劇団の座長を務めたこともありますし、
素人に毛が生えたようなレベルのメンバーたちに、
どうやって自分が実現したいことを伝えたらいいか、
とても迷い、悩んだことがあります。
仕事の場面でも、営業担当の人やお客様に、
なかなか自分の意図をご理解いただけない、
という場面に遭遇したことは数え切れません。
そんな経験を通じてここ最近、強く感じているのは、
「わからない人に期待をしない」
というスタンスでいれば問題ない、ということです。
結局、自分が「サービス業」にいる、
と考えれば、お客様は神様であり、
お客様がおっしゃることを基本的に聞いてあげていればいい、
と思うわけです。
「金払ってんだから言うことを聞け」
というスタンスの人に、
「あなたができないことをやってあげている」
ということを理解してもらうとしたところで、
わかるはずがないわけです。
先生が体罰に及ぶということは、
決してよいことではありません。
しかしながら、どうしてその先生が、
そこまで及んでしまったのか、
ということは考えてもらえないわけです、
特に「体罰の被害に遭った」と主張する保護者の方々は。
全ての方がそうだとは思いませんが、
そういう主張をされる保護者の方々の中には、
「先生はサービス業でしょ」という感覚がある、
と私は思っております。
なぜ体罰に及んだか、というプロセスは見ることなく、
体罰の被害を子どもが受けた、という結果だけを見る。
私が言いたいのは、
そういう感覚がいい悪いという問題ではなく、
そういう感覚を持つ人が世の中にはいる、
ということです。
そこを踏まえた態度を取れない先生は、
体罰をして処分をされたのに指導を再開するのは
納得できない、とおっしゃる保護者の方々に、
納得してもらうことはできない、
と宮本さんはおっしゃっているのだと私は解釈しました。
極論を言いますと、
そういう態度が取れるか取れないかというのは、
民間企業で働く人の感覚と、
公務員として働く人の感覚の違いではないか、
と思うのです。
後者の方は「先生はサービス業である」という感覚を持つ
保護者の方々に対して「先生はサービス業ではない」と、
反発してしまうから問題がこじれてしまうのだと思うのです。
前者の感覚でいると、たとえ自分が「先生はサービス業ではない」
と思っていたとしても、「先生はサービス業である」と
いう感覚を持った人が世の中にはいる、
ということを受け止めてあげられるのではないかと思うのです。
そう受け止めてあげられれば、
そういう感覚の方にはそういう風な対応で、
という選択肢が生まれてくるのではないか、と。
冒頭の「私塾」を開いた先生が、
「そういう生徒を受け流すこともできたとは思うのだが、
指導する立場としてそういう態度は取れなかった」
というようなコメントを、インタビューでされていました。
そんなコメントを聞きながら、
「受け流していいんじゃないの」
と私は思ってしまったのですが、いかがでしょうね。
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