【読書ノート】マーケティング・リテラシー/知的消費の技法



ゆでたまごのすけでございます。

先日、テレビCMの広告費が
頭打ちになっている、
というようなニュースがあった、
と紹介させていただきましたが、
その際に名前が出ていたのが、
この書籍の筆者である、
谷村智康さんでございます。

正直、広告づくりに、
クリエイターということで
関わっているという視点で
読んでいくと、
ところどころで「カチン」と
くるような箇所があるのでございます。

でも、それって、
確かにそうだよな、と思わされることばかり、
なのでございます。

テレビの影響力があった時代には、
マスに向かってテレビCMを発信し、
認知を広げることができたのであって、
そこに根拠があるのかないのか
よくわからないような高額な広告費を払ってでも、
企業は広告を出稿していたわけでございます。

ところが、テレビは影響力を失ってきた。
ネットを使ったマーケティングは、
よく言う「One to Oneマーケティング」を
いかに実現していくか、に注目が集まったわけでございまして。

従来では考えられなかったほどに精度高く、
One to Oneマーケティングができるようになった。

マスに広告をがつーんと打ったとして、
その効果って結局わからない、
だけど費用はかさみますから広告費はバカ高、
そんなのもうやってらんない。

だってもっと効果的にモノを売るプロモーションの仕方が
世の中にあるんだから、
ということになるわけでございます。

谷村さんは、
クリエイターがもっともらしく、
これだけの制作費がかかってるんですよ、
と言って高い広告費を払わせながら、
効果がいかほどあるのかどうかわからない、
プロモーションの仕方はもう終わった、
というようなことをおっしゃってるわけでございます。

まあ、カチンと来ますわな。

でも、事実だったりするんですな。

「そろそろ反撃してもいいですか?」
というキャッチフレーズのもとで、
ものすごくたくさんのタレントを使って、
一大広告キャンペーンを繰り広げたドコモさんは、
そのキャンペーンの成果ってほとんど上がってない、
と評価しているようでございますし。

まあ、作り手の目線から見ても、
あのプロモーションはムダに金かけてるだけだなあ、
などと感じておりましたから、
もうああいう手法は終わったなあ、
という気はずっとしていたのでございます。

ただ、谷村さんのおっしゃるマーケティングの視点を、
しっかりと踏まえた上で、表現をどうしていくのか、
というのを考えるクリエイターというのが、
これからは現れてこなくてはいけないのだろうな、
とは思います。

しかし一方で、
そんな計算ずくでは決して生まれなかったような
ムーブメントとかヒット商品とか、
そんなのも生まれてきてほしいし、
そういうことをやる人たちってのが、
これからももっと出てきてほしいと思わずにはいられません。

まあ、マーケティングの観点からすれば、
そういうことができる人たちってのは、
その人たちそのものが商品価値の高いコンテンツ、
ということになるだけのことなんでしょうけれども(笑)。

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コメント

ふーてん2.0 さんの投稿…
ご指摘を受けました谷村です。
厳しい語調であったところは、お気に障ったかも知れませんが、それでもご評価をいただけたことをうれしく思います。

従来の広告のスキームは崩壊しております。
しかし、自社の製品こそを売りたいと言うクライアントの思惑はなくならないわけで、時代の変化とクライアントの変わらぬ思いをどうつなぐかが、これからのマーケティングに問われていると思うのです。
多賀大祐 さんの投稿…
>ふーてん2.0さん
コメント、ありがとうございます!
驚きました。著者の方からコメをいただくなんて♪
私も同感です。
広告をつくる人間も、意識を変えねば、
と痛切に思っているところです。

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