【読書ノート】あめりか物語/永井荷風


ゆでたまごのすけでございます。

ちょうどソウルに行く前後に読んだ、
永井荷風「あめりか物語」。

前にとある取材で、荷風にゆかりのある街を取材し、
そこで見かけた荷風の資料を見て、
この人、なんてダメ男なんだろう、
と思いまして、そこにすごくシンパシーを感じ、
興味を持った作家の一人なんでございます。

確か、わりとぼんぼんに育った感じで、
親から言われて銀行員かなんかになって、
アメリカに赴任させられた時の体験をもとに書いた、
短編小説集、と言ったらいいんでしょうかね。

明治時代に書かれた作品ですが、
ところどころで時代を感じさせる記述があるものの、
なんか世界の男のダメさ加減と、
荷風であろう主人公のダメさ加減が、
とにかく時代を超越したものであることを強く感じつつ、
ああ、ダメでもいーじゃん、と勇気をくれる一作、
と言ってしまうとまるでほめてないように思えるかもしれませんが、
私としては最大限の賛辞を送っておるつもりなのでございます。

所詮ね、いつの時代も男はバカな遊びに興じ、
アホな夢を追いかける生き物なんでございます。
きっとこれは、異性には決してわからぬものなのだろう、
と思いながら読破した次第でございます。

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