【創作ノート】そして、父に受け継がれる。

ゆでたまごのすけでございます。

ちょっと間が空きましたが、
創作ノートを書いておこうと思います。

祖父は、医者をやりながら、
救えないと悩んだ末に坊さんになった、
という人だというのは、前に書きました。

これ、結局突き詰めていくと、
どんだけお人好しなんだよ、ってくらいに、
どうにかしたい、という思いが強かった結果の行動、
という気がして仕方ないのでございます。

そして、そんな祖父から血を受け継ぐのが、
私の父になるわけでございます。

一昨年に母が亡くなった際に出て来た遺品の中から、
父の手帳が見つかりまして、その中に履歴書があったんでございます。

よく見てみると、数社の企業で取締役をやっているんでございます。
結構、名古屋あたりでは名の知れた企業も含まれていたような。

そんな事実は、初めて知ったものですから、
え、親父ってそんなにスゴかったの、
と改めて思った次第だったのでございます。

しかしながら、なぜそんな地位まで上がりながら、
そんなに何度も転職を繰り返していたのか、と。

そこら辺は、実際に話を聞いたわけではございませんので、
よくわからないのでございますが、
何となく、想像がつくのでございます。

おそらく。

部下たちを守ろうとして、自分より上の経営陣とかと、
ケンカして辞めていったのだろうなあ、と思うのでございます。

正論を、そのまま貫くタイプの人だったんでございます。
それはもう、愚直なまでに。
そして、そんな父を、部下の人たちは頼りにしていたのだろうなあと。

しかしながら、これもまた想像できるのでございます。

そんな部下の人たちは、守ってくれた父に恩義を感じることなく、
甘えるだけ甘えて、利用するだけ利用して、去っていったのだろうと。

なぜそう思うのかというと、
父の葬儀の時に、花が贈られてきたのは、
私の当時のバイト先だった大手新聞社からのものだけだった、
ということがあったから、でございます。

当時の部下の人たちにとっては、
父は何もしなくても助けてくれる都合のいい人、
というだけの存在だったのだろうと思うのでございます。

そして父は、そんな人たちのことを見抜くことなく、
頼りにしてくれるから、自分を必要としてくれているんだ、
と勘違いをなさったのだろうと感じるのでございます。

祖父とは、ちょっと形は違います。
でも、父も結局、愚直なまでにどうにかしたい、
と思う気持ちは強い人だったのだろうと。

違いがあるとするならば、
それはどうにかしたい、と思う対象を間違った、
ということなのだろうと思うのでございます。

そんな父のエピソードを、次回はもうちょっと、
ご紹介させていただこうかと思います。

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