【映画レビュー】しあわせのパン。

ゆでたまごのすけでございます。

引き続き、映画レビュー。
今回は三島有希子監督作品「しあわせのパン」
でございます。

いやあ、女性監督の作品って、
男性とは視点が違って面白いなあ、
と思ってしまう作品でございます。
「マーニ」というカフェが舞台の作品で、
お料理やパンなどが実に美味しそう、
と感じる映像が印象的でございました。

「月とマーニ」という絵本を、
小さな頃に読んだ原田知世さん演じる
主人公の女性が、大泉洋さん演じる
ご主人と一緒にカフェ「マーニ」を経営しております。
その絵本は、マーニがいつも月と一緒に行動をしており、
月がマーニに相談するとマーニはいつも月を思いやった答えを出す、
というようなストーリーになっており、
主人公は自分にとってのマーニは誰?
と思いながら物語は進んでいく構成になっております。

そのカフェを訪れるさまざまなお客さんとの
エピソードを中心に物語が描かれていきます。
カフェは北海道の洞爺湖畔に立地しており、
宿泊施設も併設されているので、
男と別れてやさぐれた若い女性とか、
親が離婚した女のお子さんとか、
奥さんが老い先短い病を抱え、
経営していた銭湯も行き詰まって
自殺を考えている老夫婦とか、
何かしらを抱えた人が訪れるのですが、
大泉さん演じるご主人の焼くパンと、
原田さん演じる主人公のいれるコーヒーが、
彼らの心を癒していく、
というのがストーリーの軸でございます。

見終わると、ほっこりする作品でございます。
主人公とそのご主人は、決して多くは語りません。
その抑制されたセリフの展開には、
やはり私は小津的なるものを感じてしまいます。
「レンタネコ」の猫たちもそうですが、
この作品では北海道の雄大な自然の風景が、
その抑制された空気感に多くのものを語らせている、
という印象を受けたのでございます。
私は物書きをやっておりますが、
やはり映像というのは映像ならではの力がある、
とつくづく感じさせられたわけでございます。

私にとってのマーニ。
私にとってのしあわせのパン。
さてそれは何でしょう、
と思いを巡らせてみようか、
と思う次第でございます。

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