2012年9月9日日曜日

【雑感】自分だけのもの。

ゆでたまごのすけでございます。

長年、企業を取材してきて思うのは、
結局、事業規模を拡大していくために
必要なのは(とされてきたのは)、
一言で言うと「誰にでも売れるもの
をつくり出すこと」だったということです。

その典型とも言えるのが、
いわゆる「チェーンストアオペレーション」で
店舗数をガンガン出していた頃の
流通・小売業界ではないでしょうか。
どこに行っても、同じものが並んでいる。
だから、消費者は安心でしょう、と。
そのために、店員はほとんどおかずに
セルフで買える売場を導入して、
店舗運営コストを下げて、価格を下げる。
しかし、その末路はどうなったかと言えば、
かつて大手と言われた流通・小売業界の「雄」
と呼ばれた企業を思い浮かべていただければ、
多くを語る必要もないかな、と思います。

同じような典型として思い浮かぶのは、
某ファーストフードチェーンもそうでしょう。
どこに行っても、同じ味。スマイル0円。
彼らは未だに業界トップに君臨されていますが、
それは彼らが単に「だから、消費者は安心でしょう」
というところにあぐらをかくことなく、
どうやったら飽きずに来店してもらえるか、
ということに対して真摯に向き合っているから、
ではないかと臆測している次第でございます。

コンビニ業界も、言ってみれば、
個人商店を「誰にでも売れる」お店にする
パッケージを売っている、と捉えることができます。
彼らがスゴいのは、
自分たちのパッケージを魅力的なものにするために、
商品開発や仕入・調達に力を注ぐだけでなく、
やれ公共料金の収納代行だ宅急便だATMだと、
来店するきっかけとなるサービスを
さまざまに採り入れたりしていることです。
それがイコール、パッケージのブランド力をアップさせる、
ということになるわけでございます。

某就職サイトを運営する企業も、
極論すれば「誰にでも売れる」ものにするために、
たとえば会員数や掲載企業数が群を抜いているようにして、
ブランド力を上げられるようにしています。
同時に、会員となる学生にとっても、
掲載する企業にとっても、「このサイトはいい!」と
思われるようなシステムやサービスを開発して、
ブランド力をさらに向上させるように努力しています。
そうすることで、企業に対して掲載枠を売り、
あとはどうぞご自由に、という風にした方が、
売った後のフォローをするなどの手間がなく、
営業効率はよい、ということになるわけでございます。
ま、実際にはそんな簡単にはフォローなしで、
お客様にご満足いただけるようなことはないですが(笑)。

知ってる方には、今さらなんだ、
という話ばかりですが(苦笑)。

これらを総合して考えると、
結局は「誰にでも売れるものをつくる」ことを実現するには、
「できた!」と思って現状維持に終始することなく、
いろんな手段を駆使して、「誰にでも売れるもの」を
次々とアップデートしていくことが必要だ、
ということになるかと思います。
そのために、大手企業と言われるような会社は、
驚くほどにお金も、労力もかけて、
その商品やサービスに磨きをかけ続け、
「誰にでも売れるものをつくる」ことを、
「自分たちにしかできないもの」にしているわけです。
逆に言えば、磨きをかけ続けずに、
どこかにあるようなもののマネだけしているようでは、
あっという間に「いらない!」と言われてしまうのです。
どこぞの国の大手電機メーカーのように、でございます(笑)。

ここから、じゃあ個人はどうか、という話になります。
個人のキャリアとか、スキルとか、
そういうものはどうなのか、という話です。

大手企業に入ればいい。安泰だ。
近頃の学生さんの傾向として、
安定志向というキーワードがよく語られるのでございますが、
言ってみればこうした大手企業の商品やサービスに
乗っかっていれば安心だ、という発想なのだろうと思います。

確かに、安心でしょう。安泰でしょう。
しかし、一個人の能力という点で考えた時には、
私は安心でも、安泰でもないのではないか、と思います。

だって、その商品やサービスの力に頼ってるわけじゃないですか。
そして、その組織の中にいたら、
その商品やサービスの力に頼っているということすら忘れて、
売れているのは自分の力だ、と錯覚してしまうではないですか。
それでも安定した給料と待遇があれば、いいじゃない。
そう考える人もいるでしょうが、
きっとそれだけでは、定年退職した後に何も残らない、
ということになるのではないか、と思うのでございます。

これまでは、乗っかっていればよかったかもしれません。
経済がほっといても成長しているような時代なら、です。
これからの時代は、きっと、組織に属する人たちも、
大手企業と呼ばれる会社が金と労力を膨大にかけて
「誰にでも売れるもの」をつくり出しているのと同じくらい、
一人ひとりが労力をかけて、自分にしかできないものは何か、
をとことん追求するようにしていかないと、
簡単に「いらない!」と言われるようになってしまうでしょう。
逆に言えば、それだけ労力をかけて自分だけのものを
つくり出した人がたくさんいる組織の方が、
これからの時代は大きく成長するのではないか、
と思わずにはいられないのでございます。取材を続けていると。

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