【雑感】高倉健さんに、涙する。

ゆでたまごのすけでございます。

NHK「プロフェッショナル〜仕事の流儀」という番組。
私にとって縁深い某就職サイト運営会社のグループで働く
社員の方なども取り上げられたりしており、
ちょいちょい見てしまう、人気のドキュメント番組でございます。

先週金曜と、この月曜と、スペシャル版ということで、
俳優の高倉健さんが取り上げられておりました。

8月25日公開の「あなたへ」という映画に出演されたということで、
そのプロモーションの一貫、という見方もできなくはありませんが。

今日の番組は、HDレコーダーに録画してまだ見ておりませんが、
先週放送された分を録画したものを、昨日見ました。

高倉健さんが、映画のシーンで、
亡くなった奥さんの若かりし頃の写真を、
奥さんの生まれ故郷を訪ねた際に、
その街の写真館に飾られているのを見つけ、
「ありがとう」と一言、おっしゃるシーンを、
フォーカスして紹介しておりました。

映画の流れで見ているわけでもないのに、
その撮影シーンを撮影している映像というだけなのに、
「ありがとう」とおっしゃった高倉健さんの
一言の重みに、思わず涙があふれてきました。
泣いている自分に、自分で驚きましたね。
そして、高倉健さんのスゴさに、改めて感服しました。

ビートたけしさんが、
「高倉健さんと会っていると、仏像を眺めているような気分になる。
ほっとするんだけど、すごく緊張感を感じる、みたいな」
というようなことをおっしゃっていましたが、
なるほど、納得、という気分にさせられましたね。

内容に納得しないと、仕事を受けない。
その役柄の人生を、生きる。
役柄の感情が理解できるまで、模索する。
非常に軽々しい物言いではありますが、
プロフェッショナルだなあ、と思いました。

「あなたへ」長崎の平戸という街が舞台だそうですが、
この街は江戸時代にオランダとの交易の街として栄えたそうで、
しかしながら宗教対立なども街の中であったようで、
華やかさとその裏にある切なさや儚さのようなものも
同居している街なのだそうでございます。
健さんも、「なんか物悲しさを感じるんだよね、街に」
というようなことをおっしゃっていました。

で、映画の中で高倉健さんが演じる役柄の男が、
街の人たちがずっとひた隠しにする犯罪があったことを知り、
知ったからには、とばかりに、
ずっと長く勤めた刑務所の指導官の仕事を辞する決意をして、
その街を去る、というシーンの撮影にもフォーカスされており。

健さんは、なぜ彼が職を辞するまで考えたのか、
という気持ちがどうしても理解できない、と思い悩んでいたそうでして。

前述のシーンは、
街を去るにあたって世話になった漁師役の大滝秀治さんに
挨拶をするシーンなのですが、
大滝さんの「ひさしぶりにあんなきれいな海を見た」という一言で、
健さんはカットがかかった後、涙しておられたんでございます。
大滝さんのセリフで、健さん演じるところの男の気持ちが、
健さんは理解できた、というのでございます。

漁師は、江戸時代から光と闇の両方に翻弄された平戸の街を
ずっと見てきているわけで、それらは海からもたらされたもので、
その海をずっと見続けてきた、と。
そんな漁師が語る、「あんなきれいな海」という言葉に、
この街で生きてきた人たちの思いの全てが込められており、
大滝さんがその思いを込めてセリフを言ってくれたことで、
健さんは気づきが与えられた、とおっしゃるのでございます。

なんて、ピュア。なんて、プロフェッショナル。
多くを語らずとも、伝わる。
それが、プロの仕事、ということになるのでございましょう。
もう、ひたすらテレビ画面に釘づけ。
そんな状態になってしまった私でございました。

明日にでも、月曜に放送された健さんのインタビュー、
見たいと思います。
私も、コピーライターとして、物書きとして、
多くを語らずとも伝わるような、プロの仕事を追求し続けるために。

と言いながら、長々とブログ記事を書いている自分に、
反省したりもしておりますが(苦笑)。

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