【雑感】Pマーク騒動。
ふっと、思い出したことがございます。
名づけて、Pマーク騒動。
Pマークとは、簡単に言えば、
個人情報を扱うような企業さんが、
うちはちゃんと管理していますよ、
というのを第三者機関から証明してもらい、
交付されるマークのことでございます。
もう5〜6年くらい前でしょうかね。
とあるIT企業さんのホームページを
つくらせていただいていた時のことでございます。
その企業さんが、Pマークを取得し、
それをホームページのトップ画面に掲載したい、
というご依頼をいただきました。
デザイナーと相談したところ、
そのデザイナーのいる会社はデザインだけでなく、
システムも手がける会社だったもので、
Pマークは当然のようにすでに取得しており。
システムを手がけるということは、
ECサイトなんかも手がけることがあるわけで、
当然ながら個人情報を扱うこともある、と。
そういう会社は当時からたくさんあり、
今さらPマークを取得したことを取りたてて
前面に出して自慢するようなことはしない方がいい、
というアドバイスをもらったんですね。
で、私はその企業の担当者さんに、
その旨を伝えたわけでございます。
すると、その担当者の方、
烈火のごとく怒り出しましてですね。
「クライアントがこうしろと言ってるんだから、
その通りにすればいいんだ」的なご対応で。
よくよく聞いてみますと、
その担当者の方はご年輩の方で、
Pマークの取得のために、
第三者機関との調整に尽力されたのだとか。
要するに、私のアドバイスが、
自分の成果に対する冒瀆のように聞こえた、
ということだったようなのでございます。
これには、二つの問題がございまして。
一つは、私の伝え方の問題。
もうちょっと、その担当者の方の気持ちを考えてあげて、
優しく伝えてあげればよかったなあ、という反省が一つ。
もう一つは、主観と客観の問題。
その担当者の方は、確かにPマーク取得のために、
何度も何度も第三者機関と調整し、
書類の作成や修正などに苦労をされたのでしょうが、
世の中一般の常識としてすでにPマーク取得は当然、
という空気になっているということを、
客観的な視点からご理解いただきたかったけど、
いただけなかったということ。
私の視点からと、担当者の方の視点からと、
両方の主観がぶつかってしまったがゆえに起きた問題、
ということになるわけでございますが、
見方によっては、担当者の方はまったく私の意見を
受け付けず、自分の主観だけでモノを言っていた、
ということにもなるわけでございまして。
まあ、ご年輩の方だったんだから、
若輩のこちらが一歩引いて、はいはい、
と聞いてあげればそれで済んだ話、
と言ってしまえばそうなのかもしれません。
しかしながら、そうやって話を流すことで、
物事の本質がどんどん後ろの方に回されてしまう、
ということをやり続けた結果が、
問題を先送りすることにつながって、
その問題が後になって大きくなってしまって、
取り返しがつかなくなってしまう、
ということが、今の日本のいろんな場所で起きている、
だから閉塞感から脱却できない、
ということではないか、と思ってしまうのでございます。
やたらにミクロな話から、マクロな話に展開しました(笑)。
しかし、木を見て森を見ず、なんて言い方もございますが、
木を見ないと、森の中で起きている問題の解決の糸口も
つかみそこなうのではないか、
と思わずにはいられない今日この頃なのでございます。
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