私のことを諭してくれた俳優・N氏



ゆでたまごのすけでございます。
ここのところ毎週、
週末には飲んだくれておる次第でございます。
金曜日には必ずと言っていいほど若いのを引き連れ、
朝方近くまで飲むという、
70年代の人かおまえは、と突っ込みが聞こえてきそうな
自堕落な生活を続けております。

飲んだ席で忘れられないのは、N氏のことでございます
このN氏、昨日のブログで書きましたF氏の劇団「M.C.」にいらした方でございます。
ええい、言ってしまえ。
この劇団、ミスター・スリム・カンパニーでございます。
ここにいらしたN氏、私が中学生の頃に感銘を受けたステージでは、
主役クラスを張っている方でございました。
最近では(最近でもないですが)、
妻夫木聡さんが主演された「ブラックジャックによろしく」のスペシャル版で、
薬師丸ひろ子さんのご主人役をやっていらっしゃいました。
そこまで言えば、わかる方はわかるのではないかと思いますが。

そのN氏に、私はミスター・スリム・カンパニーに出演させていただいた時、
初顔合わせの飲み会でお会いすることができたのです。
もう、舞い上がってしまいました。何せ、中学時代の憧れの人ですから。
これからその劇団の舞台に出演するというのに、
すっかりファンの心理状態になってしまいまして、
私はN氏に「すいません、昔から好きでした、サインして下さい」と、
自分の手帳を差し出したものです。
N氏は快く、サインに応じて下さいました。
その瞬間は、一ファンと一芸能人、という感じでした。

その後、私はその初顔合わせの飲み会の二次会に参加しました。
N氏も、そこには参加されておりました。
私は、N氏の横に座らせてもらい、これまたすっかり舞い上がっておりました。
N氏は、その時点でだいぶ酔っぱらっておられたようでした。

「ゆでたまごのすけ、おまえ、この劇団の名前、何て言うか知ってるか」
「はい、ミスター・スリム・カンパニーですよね」
「そうだよ。ミスター・スリムだよ。スリム。おまえ、何だよ」
「はい?」
「デブだろ、デブ」

もう、ぐうの音も出ませんでした。事実でございましたから。
そこから延々、夜中の三時ぐらいまで、N氏からのお説教タイムでございました。
飲んでいた場所が、中野の方だったのですが、
四谷の駅まで聞こえるぐらいの声で自己紹介しろ、といわれ、
大声で自己紹介をしたのも覚えております。
ここまでお読みの方は、なんて体育会系なんだろう、と思われますよね。

ええ、そうなんです。芝居って、体育会なんです(笑)。

でも、その時、N氏からさんざん言われたことは、
今から考えれば私のことを思いやってのものだったのです。
私は、間違いなくデブです。体重が100kg超ありますからして。
その当時から、体重はほぼ変わっておりません。
ですから、そんな体をしている私が、歌って踊って叫んで走って、
などというステージを最後まで全うできるはずがない、
だからきちんと体をしぼれ、ということを言っていただいていたのだ、と。

しかし、生来のなまけもので鈍感な私は、
その時にはそんな思いやりとは感じられなかったのでしょうね。
未だに、体型は変わらず、デブを維持してしまっております。
それでも、テレビでN氏のお姿を拝見するたびに、
心の底から思うのであります。「ありがとう」と。

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