私に「気づき」を与えてくれた・魔法使いサリーちゃん



ゆでたまごのすけでございます。
人間、カッコつけるのをやめると、
とたんに見えてくるものが
ございます。
私にとって、そんなきっかけを
与えてくれたのが、
魔法使いサリーちゃんで
ございました。

今から15年ほども前でございましょうか。
確か1992年の秋に行った、個性派組という当時やっていた劇団での舞台でのことでした。
タイトルを「MONEY」という作品でございました。
バブル末期の、まだその余韻が残って浮かれ続けている時代でございました。
ジュリアナ東京、なんて懐かしいですが、
そんなディスコ(当時はまだクラブではなかったかと)に日夜現れる、
ボディコン(!)・ワンレンのおねーちゃんを主人公にした作品でございまして。
金の力で男をはべらす、実は田舎者、という設定だったのでございます。
そんな彼女に、天の声が響いてくるわけでございます。

そんなことやっとると、バチがあたるぞー。

その声に、当てられるものなら当ててみなさいよー!なんておねーちゃんは
毒づくのでございます。
そうすると、おねーちゃんは魔法をかけられて小さくなってゴキブリの世界に
行ってしまうという、なんともシュールな展開なのでございます。

その、場面転換のためだけに登場するのが、私扮する魔法使いサリーちゃん
だったわけでございます。
なんでサリーちゃん?とは聞かないで下さいませ。
ただ、場面転換のために出てくるなら意味不明でいいじゃん、
ぐらいの感覚だったかと思われます。

その展開の設定は、私が考えたのではなく、劇団主宰だったA氏でございました。
以前、このブログでもご紹介した、中学からの同級生でございます。
この脚本を私が書き、A氏が演出を手がけている中で、
突然、彼が思いついたように言ってきたのでございます。

ゆでたまごのすけ、サリーちゃんになってよ。

私は正直、なんで?と思いました。
その場面転換のために、俺がサリーちゃんとして登場する理由って何?と。

いいからさ、やってよ。絶対おもしろいから。

そうか、絶対おもしろいのか。じゃあやってみるか。
私も単純なヤツでございます。
そこから、私は役づくりを始めたんでございます。

当時、コンビニにブリーチ剤などを置いているような
時代ではございませんでした。
なので、私は美容室に行き、

パツキンにして下さい。それと、おばさんパーマをかけて下さい。

ってなオーダーを出したのでございます。
「何のために?」とお聞きになる美容師さんに、
いや、これこれこういうわけで、
舞台で魔法使いサリーちゃんをやることになりまして、
なんていう説明をさせてもらったものでございます。
意図を理解した美容師さんは、気合いを入れてやってくれました。
そして見事、地毛による魔法使いサリーちゃんの頭が
完成したのでございます。
費用は、当時で1万5000円ぐらいだったかと思います。

衣装は、劇団の衣装づくりチームが一生懸命、
私サイズのあの赤いワンピースをつくってくれました。
私の身なりをご存知の方なら、どんだけでかい衣装だ、
というのがおわかりかと思います。

白のハイソックスも、わざわざ購入しました。

赤いパンプスだけは、どうしても28cmのものがなく、
これは仕方なく赤のコンバースのハイカットを購入。

パンツも、私はふだんトランクスなのでございますが、
これではミニスカートからはみ出てしまう、
ということで黒のカルバンクラインのブリーフを買いまして。
黒の方がセクシーかな、とわけのわからないことを
考えていたのも、覚えております。

おかげさまで、計7ステージをこなしたわけでございますが、
他のギャグが滑る時があったとしても、
私の登場だけは、全てのステージで観客が大爆笑を
してくれたのでございます。

その時、思いました。

あ、これでいいんだ、と。

何か、私の頭の中で、ちーん、というような音が聞こえたような。
今まで、かっこつけて、なんかすごいことやってやろうとか、
いい芝居してやろうとか、無粋なことを考えていた自分が、
何とかっこわるいのだろうか、と思ってしまったのでございます。

肩に力を入れて、何事にも取り組まれる方っていると思います。
でも、時には力を抜いて、こんなもんでいいんだ、と楽にやる、
ということも非常に大切なことだと、私は思うのでございます。

そんなことに気づかせてくれた、魔法使いサリーちゃんに、伝えたい。
心から「ありがとう」と。

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コメント

匿名 さんのコメント…
あれは笑えました~~。
ここに写真を添付したいくらいです・・・

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