【雑感】ベキ分布は、知るベキだ。

ゆでたまごのすけでございます。

日経を読んでおりますが。
経済教室というコラムが、連載されております。
興味ある記事の時だけ、読むようにしてますが、
今日の記事はとても面白い。

明治大学客員教授の高安秀樹さんが書いておられます。

私も、よく理解しないままに書いておりますが。
「ベキ分布」という概念があるんだそうでございます。
確率・統計の世界のお話のようでございますが。

一般の小売店とかではまず見られない、
アマゾンの特徴的な売れ方について、
紹介されている記事などを読まれた方もおられるでしょう。

「ロングテール」と呼ばれる、売れ方があるのでございます。
一般の小売店とかでは、一気に売れるものはたくさん店頭に置いて、
とにかく旬の時期に売り切ろう、売れなくなったら返品しよう、
となるのが一般的でございますよね。
でもアマゾンの場合は、ものすごい巨大な在庫ストックヤードがあるため、
一気にどかん、とは売れなくても、
ずっと一週間に一冊ずつ売れ続ける商品も現れるわけでございます。

そんな商品の売れる時期をグラフにすると、
最初のうちはすっごく売れてても、だんだんと売れる数は落ちていき、
数は少ないんだけど、販売数ゼロにはならずに、
ずーっと売れているので、しっぽが長いようなグラフになる。
だから、ロングテールというわけでございます。

そういう分布をするのが、ベキ分布というんだそうでございます。

たとえば、今回の地震でございます。
発生回数を縦軸にして、大きさを横軸にしますと、
ちっさい地震は発生回数が多いわけで、
大きい地震は逆に少なくなるわけでございまして、
まさにロングテールな分布図になるのでございます。

それに対して「正規分布」という概念の分布図もございます。
横軸の左の方は少なくて、だんだん右に行くに従って多くなって、
ピークを過ぎるとまた少なくなっていく、という分布図でございます。

全体の平均を取って、その平均が意味をなすのが、
正規分布で表せるものなのだそうでございます。
たとえば地震保険などの保険料を決める際には、
ある一定の地域の一定期間を抽出して、
そこでどれくらいの大きさの地震が何回起きたか、
というのを計算して、平均値を出すのだそうでございます。

でも、今回のように巨大な地震が発生すると、
その平均値が突如としてぐっ、と上がってしまう、と。
だから、地震に関して言えば正規分布ではなく、
だから平均を出す意味がないものなのだ、という話でございます。

かねてから私は、平均というものに懐疑的な目線を送っておりました。
みんながこうだからこう、という理屈には、
それでいいの?といつでも思うヤツでございました。

未曾有の大地震が発生したわけでございます。
想定外の津波が発生したから、原発もヤバくなったわけでございます。

これまでの常識と言われていたものが、
ほんまに常識なんかい、という疑いを持ちながら、
じゃあ次はどうしたらいいねん、ということを考えていくべきなのでは、
というような提言を高安さんはしておられるわけでございます。

私も、そんな高安さんのご意見にすごく共感するわけでございます。
何をどう変えればいいか、という各論は私にはございません。
しかしながら、今まで通りにやっていては、
どうにもならなくなるというところまで、
今の日本、いや世界は来ているのではないかと思うのでございます。

さあ、どうやって日本を、今までにない日本にしていくのか。
これは、若者たちの仕事ではないかと私は思うのでございます。
私がまだ、若者と呼ばれる世代の中に含まれるかどうかはわかりませんが、
私の中では勝手に若者の中に紛れ込ませてもらって、
その一翼を担うような仕事ができたらいいな、
と思っておるわけでございます。

昨今の学生さんは、安定志向と言われております。
おそらく安定志向と、それではいけないと気づいている人たちと、
両極に分かれているのだろうなあ、と思うのでございます。
できることなら、安定志向に分布する若者たちも、
それではいけないと考える方に増えていってもらえたらいいな、
と願わずにはいられないのでございます。

でも、もし今の学生さんたちの分布の仕方が、
ベキ分布のようだとするならば、
滅多に発生しない大地震のように影響力ある人が、
ごく少数いるという状況なのかもしれませんね(苦笑)。

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